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第一章 こわいこと
公安警察の責任者、相馬に呼び出されると、些細とも思える事象の捜査を依頼された。
「相馬部長、コレ、俺が捜査ですか?」
「夏目しか出来ないだろう」
相馬は困ったように俺を見ていて、秘書が桃を剥いていた。その桃を俺に差し出してくれたので、箸を持って食べていると、じっと相馬が見つめていた。
「公安が抱えている重大事件がある。……この事件が、ある意味……鍵だと思うのだ。だから、頼む」
これが鍵になるのかと疑問に思うが、相馬は真剣な表情をしていたので否定はしない。
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