お菓子教室はじめました。

レアチーズケーキ

「遅れてしまいすいません。いやあ、エプロンを忘れてしまって。急いで取りに戻りました。いや、言い訳ですね。すいません。さぁ、急いで始めましょうか。お待たせしてしまいましたね。いやいや、遅刻はいけませんから。人の時間を割いてもらってる身ですし。精一杯本日も、宜しくお願いします。さぁ、今週はチーズケーキでしたよね。レアチーズケーキ。まず、クッキーを粉々にしていきましょう。市販のものですいません。来週のお菓子はクッキーにしましょうか。ね。グラハムパイクラストという、クッキーを粉々にして売ってるものを使う場合もあるのですが、手で割って叩いて砕いたものの方が食感が良いので私はこちらで作ります。でも、お菓子作りだけでなくお料理全般そうなのですが自分が楽に、そして楽しく作れるなら材料や手順はどんなでもいいんです。クッキーから焼いてもいいし、グラハムパイクラストを使ってもいいんです。他には生クリームをホイップにしなくても、今の時代ホイップで売ってるんですからそれを使っていいんです。作ってる時点で、立派な手料理なんですから。私、『ズボラ飯』『手抜きごはん』って言葉が大嫌いで。もう本当嫌いなんですよ。なんでズボラとか手抜きとか、自分の料理を卑下するんですかね。手間隙をかけることが偉いみたいな風潮は好みません。誰かのため、自分のため、どんな目的であろうと愛情がない調理過程はありませんからね。いい具合に割れてきましたね。うん、いい感じ。私はこれくらいが好きですが、いかがですか？もう少し細かい方がお好みですか？じゃあ、固めていきますね。溶かしたバターを入れてよく混ぜてください。サックリとね。切っていくように。そうそう。全体に馴染んだら型にしきつめてください。満遍なく、平らになるように。じゃあ、これを冷蔵庫で冷やし固めましょう。さ、いよいよここからほんちゃんですよ。え？ほんちゃん？言いません？あれれ、時代遅れなのかな…。本番のことです。ほんちゃん。どこから来てるんでしょうかね。お恥ずかしいです。すいません。さっ！では。ほんちゃん。ですよ！ボウルに、常温に戻したクリームチーズとお砂糖を混ぜていきましょう。はじめは力がいると思いますが、苛立ってはいけませんよ。「滑らかになあれ」と魔法使いのおばあさんの気持ちで混ぜてください。いい魔法使いですよ。決して、お伽話の継母になっちゃあいけません。ステッキの先がキラキラしてるタイプの魔法使い。鼻が折れてないタイプです。なぜか、悪い魔法使いは大体白髪で鼻が折れて吊り目ですよね。なんでなんですかね。世の中はにこにこ、垂れ目の人の方が残酷だったりするんですけどね。『いい人そう』って期待と『この人は意図的にこんなことしない』って偏見に甘えて、少しの悪さは許されてきたんでしょうね。だから、気づいた時にはもう手遅れだったりするんです。そんな本人像を作り上げたのは周囲の人間なのに、都合が悪くなると『まさかあの子がね。人は見かけによらないね。』と言うんですよ。見かけに甘えさせてるのは、周囲の人たちなのにね。あ、この間に私はゼラチンをお湯に溶かしておきますね。お家で作る時は忘れないようにしてください。いま、私もわすれそうでした。危ない危ない。今日はなんだか忘れやすい日だなぁ。宜しくないです。5月だからでしょうか。お、だいぶ混ざってきましたね。そしたらそこにヨーグルトと、今溶かしたゼラチンを入れていきます。一気に生地が緩くなりますので、満遍なく均一に混ぜていってくださいね。酸のいい香りですね。ダマになりやすいので気をつけて。大きく円を描くように回してください。そうそう。ある程度混ざったら一度濾しましょうか。濾す時の注意点は、一度自然に落ちるのを待つことです。急いでギシギシしてはいけません。待つという行為は本当に難しいですよね。待たなきゃ待たなきゃと思うほど急いでしまうんですよね。でもここは一瞬の我慢。むしろ、休憩時間だと思ってください。待ち時間を休憩時間だと捉えられたら勝ちですよ。人を待つ時だって、もともと待つと思っていなかったなら新しい時間が増えたと思えば良いんです。そしたら、「お待たせ！」に対して「ううん、全然待ってないよ」って言えるんですよ。あっ、今日お待たせしてしまった側の人間が言えたことじゃありませんが…。ふふ、謝りすぎはからかってるのと紙一重ですね。もう言いません。ごめんなさい。話してる間に落ちれる生地は落ちたようですね。では、濾し器に残ったものは撫でるようにしてください。潰しちゃダメですよ。撫でる。撫でつけてもいけません。撫でる、優しく。何度も撫でていると自然と濾していきますからね。そう、上手ですね。先週のいちごジャムと近い工程ですね。そうそう、良い感じ。全部濾せたら、先ほどクッキーを引いた型に流し込みます。これで2時間ほど冷やしましょう。この上にはゼリーを引いたり、レモンを載せたり。あとは、キャラメルやチョコでも美味しいですよ。でも今の季節はやっぱりレモンかな。柑橘類は、滞っている気巡りを良くしてくれるんです。雨が多かったり季節の変わり目になると胸が詰まったような漠然と悲しい気持ちがあったりすると思うのですが、それは気の巡りが滞っているからなんです。気というのは目に見えないし、体調の現れではないから放っておきがちなのですが気の疲れは立派な不調です。そのままにしておくと、体のしんどさに気づいた時には心のしんどさがマックスになってしまいます。食は、気だったり思いだったりを調節する機能がありますからね。食べることは生きることです。柑橘類には疲労回復とか、イライラを減らす、よく眠れるようにする、胃腸の働きを高めるとかもあるんですって。どの食物にも役割がしっかりあるんですよ。でも、どの不調にも効く最高の食材を覚えておいてください。それは、自分の好物です。好きなものには全ての栄養が入っているんです。元気になるには、好きなものが1番。さっきも言いましたが、食べることは生きること。これからながーーい人生なのに、栄養ばかり気にする食事は逆にストレスになっちゃいます。だからまずは元気がないな、って思った時は好きなものを食べてください。できたら、作って食べるという達成感も味わえたら最高ですが、勿論買って食べるでも十分です。それがコンビニやスーパーのでもいいですよ。最近のコンビニスイーツはとっても美味しいですからね。美味しくて、好きなもの。それが一人一人の完全栄養食ですよ。私はいっつも卵かけご飯です。一杯の白米に対して二個の卵。贅沢すぎて、あまり大声では言えませんけどね。
さあ、固めている間に本日のおさらいをしておきましょうか。まず、クッキーをジップロックに入れて砕きます。溶かしバターを入れて、よく揉んだあと、クッキングシートを引いた型に満遍なく平に敷き詰めて冷蔵庫へ。クリームチーズとお砂糖を十分に混ぜたら、ヨーグルトとふやかしたゼラチンを入れて、よーく混ぜます。全体が均一の色になって、白の色斑がなくなったら濾していきます。濾す時は自然に落ちるのを待つこと。大体のものは重力にかないませんからね。そして、ダマになっていて濾せなかったものは優しく撫でていきましょう。先程の型に流し込み冷蔵庫で2時間。充分に冷えて固まったら、型から外してください。爽やかな5月にぴったりのレアチーズケーキの完成です。食べるのが楽しみですね。しかし、2時間一緒に待っていても大丈夫ですか？？帰りましょうか？？いやいや、そんな、私はめちゃくちゃ食べたいですけど…。あ、本音が出てしまいました。ありがとうございます。では、一緒に待たせていただきます。お喋りしてたらあっという間ですよ。そうそう。来週はクッキーでしたよね。型抜きクッキーとアイスボックスクッキー、どちらが良いですか？かしこまりました。では一緒に型抜きして参りましょう。私も家からお気に入りの型持ってきます。ふふ、次回も楽しみですね。また金曜日で大丈夫ですか？？かしこまりました。
では、また来週の金曜日に伺います。2時間、おしゃべりして過ごしましょう。」