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「圭介、ほかに好きな人がいるみたい」
親友の芽衣からそう打ち明けられたのは、つい2週間前のことだった。
「え…?」
結婚を間近に控えた芽衣と圭介の愛の巣で、つかさは暢気にソファに寝そべって漫画を読んでいた。
芽衣は目を伏せたまま、チラシの束をビニール紐で結んでいた。
思わず顔がこわばった。
「それって、浮気してるってこと?」
胸の鼓動を抑え、白々しく聞く自分にむしずが走った。
「うん、たぶんね」
「…なんでそう思うの?」
「なんでだろ…女の勘ってやつかな」
そう言って、芽衣は力なく笑った。
その時の傷ついた芽衣の顔がずっと頭から離れなかった。
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