移り香

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そんな気持ちをごまかすように、つかさは話題を変えた。 「結婚式の準備、進んでるの」 「まぁ、ぼちぼち」 「そっか、私も式に招待されちゃうわけ?」 「…あぁ」 「行きたくないな〜、2人の幸せそうな姿なんて見たくないよ」 わざと明るく言ってみたが、圭介は答えない。 「ねぇ…芽衣が気付かなかったら、いつまでこの関係続けるつもりだったの?」 圭介は相変わらず黙ったまま、地平線の彼方を見つめている。 ため息をついて、 「なんで芽衣は圭介なんか選んだんだろうね」と言うと、 「…“なんか”ってことはないだろ」と圭介が苦笑する。 「だってさ、恋人の親友と関係持つ男なんてろくでもないよ」 親友の恋人と関係を持った自分もまた、ろくでもない女だ。
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