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「そろそろ帰ろうか。芽衣、心配して待ってるよ」
「そうだな」
「……私たちは親友。前の関係に戻るだけ」
そう言って、つかさは圭介に手を差し出した。
圭介は黙ったまま、その手を力強く握りしめた。
つかさは、浮気に気付いた芽衣が圭介に愛想を尽かしてくれることをずっと願っていた。
でも、芽衣は自分を裏切った圭介を許した。
圭介に抱かれるたび、心の中であんなに叫んでいたのに。
芽衣、早く気付いて。
この男は芽衣がいながら、親友の私に手を出すような最低な男だよ。
私だったらもっと芽衣を幸せにしてあげられるのに。
芽衣、
“愛してる”って。
でもそれももうおしまい。
一緒になれないのなら、全て壊れてしまえばいい。
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