アンクレットのタトゥー

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「ミキちゃん……」    智絵里が跪いて瞼にキスが落ちた。そして、まっすぐに私の目を見つめられた。    強く抱き締められる。   「智絵里ぃ……」    智絵里と見つめ合い、唇が重なる。    声が上擦る。   「……ああ、泣かないで……」    唇に智絵里の舌が割り込む。ネットリと熱い彼女の舌に舌を絡める。   「ミキちゃん、実は、このタトゥー入れたの……」    小さな子どもあやすように、私の背中を智絵里の手が優しく撫でながら話してくれた。 「去年の四月なの……」    去年の四月といえば、私が今の部署に配属された月だ。   「……去年の四月って、ウチが配属された?」   「うん、女の子が女の子をって……。一目惚れだったんだよね。この人だって……」   「……で、アンクレットのタトゥーを……?」   「うん、タトゥースタジオでね。最初はシール勧められたんだけど……」    智絵里をベッドサイドに座るように促す。ベッドのクッションが音を立てて揺れた。彼女の長い健康的な脚を組ませた。   「智絵里、ウチもゴメンな。そんなこと知らんと……」    私は智絵里のタトゥーに唇を落とした。タトゥーに沿って舌を這わせた。智絵里の肉厚の唇から熱い吐息が漏れた。彼女の声も少し上擦っている。    :   「さあ、智絵里。しよか、続き……」   「……うん……」    その夜、私は智絵里と結ばれた。      おわり
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