アンクレットのタトゥー

4/5
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 私は智絵里の足元に膝をついた。眼の前に彼女のキレイな脚がある。レースの濃い紫のタンガタイプのパンツ姿に胸が高鳴る。足元から彼女を見上げた。   「智絵里、カッコイイ」    と言うと、私は彼女の脚の付け根に小さなキスをした。彼女の喉がウッと鳴いて、ピクリと小さく震えた。    彼女は不思議そうな表情をしたあと、顔いっぱいの笑顔を見せてくれた。  パンストを彼女の足元から抜き取った。   「あっ……、智絵里、タトゥーが……」    スラリと細い左の足首に繊細なタトゥーのアンクレットがあった。アンクレットのタトゥーは意味がある、とネットで調べたことがあった。   「ああ、ノリでね。タトゥー、会社にバレるとヤバそうだからさ。ファンデかパンストでね」と智絵里が明るく言ったあと、「ゴメンね。ミキちゃんに言いそびれちゃって……」    確か左足首のアンクレットのタトゥーは「一途な気持ち」だ。    やっぱ、智絵里は自分の他に好きな人がいる、と考えると悲しくて涙が溢れた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!