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十五話 久々の夜の営み
二十一週目に入り、日曜日に隆一に連れられ病院へと来ていた
今日は待ちに待った性別が分かるかも知れない日で、互いの家族にも連絡する気で来てるからこそ胸は高鳴る
最初の検査を諸々終えてから、立体映像で見えるエコーを使って調べれば、女医の方は画面を見て答えた
「 男の子ですね。此処にありますよ 」
『 はぁぁあっ……男の子だって!隆ちゃん! 』
お腹の張りも分かり、パンツだってもう可愛く無いけど子供が順調ならそれで良いと思う
4D映像で見る赤ちゃんはまるでエイリアンで顔以外は細々だけど、それでも前よりハッキリ分かる
最先端スゲーと感動していれば、黙ってる隆一へと視線を上げ傾げれば、彼は硬直していた
『 隆ちゃん、どうしたの? 』
「 俺も…こんな小さい頃から股間を見られてた…と思うとな…… 」
「 ふっ、三十年前はまだモノクロのエコーですよ。此処まではハッキリ見えるのは最近です 」
男としてのプライドってやつね!
それはきっと妊娠中に検査のために下半身を見られてる私の方がズタボロだと思うけどね!
「 そうだよな……そうか、男の子か……十二月までに一緒に名前考えような 」
『 うん!考える 』
検査を終えて、貧血になることや足が浮腫むこと、そして腰への負担が大きくなることを伝えられてから次の検査日を予約して帰る
五月の戌の日に巻いたサポーターは、今では種類が変わってコルセットみたいになってる
服の上から腹に触れ、撫でていれば運転する隆一はどこかに考える素振りを見せる
『 さっきからどうしたの、男の子……嫌だった? 』
子供の性別がわからない方が良かったのか
それとも別の事だろうかと不安気に問えば、彼は一瞬こっちを向いた後に笑ってから腹へと手を当ててきた
「 違う違う、凄く喜んでる。只本当にこんな小さくても性別分かるもんだなって実感したら、神秘的だな……言葉にならないほど、感動してるってだけだ 」
『 そっか……そうだね。こんなちっちゃくて男の子なんだよ…… 』
私には時々小さく動いてたりするのが分かるけど、余りそういうのが伝わらない男性からすれば改めて実感するのだろう
彼の寝顔に良く似てると思うほどに、可愛い我が子を私が一番よく分かる
『 渡さないからね!赤ちゃん、私のだもん 』
「 はぁ?離婚するわけないだろ。最初言った言葉は忘れてくれ 」
『 忘れない。あれ、すごーく。すごーく傷ついたんだから 』
「 ごめんなさい……今日は肉料理にするから許して 」
『 許す 』
ふっと笑った私に、隆一もまた笑っていた
こうして笑いあえるぐらいには一緒にいるんだよね
最初の妊娠が凄く嫌、だなんて言葉は取り消したいほどに今は只元気に生まれること楽しみにしていた
つわりもそれほど酷くは無くなって来たのだが、今度は眠気が凄いから家に帰っても夕食を作り始めた隆一に任せて、軽く寝ていた
起きてからハンバーグを食べても眠いから、今日は隆一に甘えた
『 洗ってー 』
「 ふはっ、いいよ 」
一緒に風呂に入るのは、私が生理痛だった時以外は殆ど毎日のよう
彼が疲れてシャワーで終わらせたいと言うとき以外は、御風呂に入るから今日もまた一緒に入る
湯槽から上がって座れば、しっかりと泡を立てた彼は背中から洗う
「 気持ちいいか? 」
『 うん、気持ちいいよー 』
「 そうか、痒いところとかあれば言えよ 」
はいっと返事して心地の良い洗い方に、満足気にしていればそのタオルを持った手は胸元から腹へと行き、御腹へと触れる
よく触ってくれるし、触るのが好きみたいに毎日確認してくる
「 ……腹がキツそうだな。元々肉がないし細身だから張ってる 」
『 そのせいで妊娠線出来てきて……なんか嫌だ…… 』
妊娠して十六週間頃から急激に体重が増えないようにしたり、保湿して柔らかい肌を保とうと努力してるけどほんの僅かに出来始めた部分を見せるように触れば、彼は指でなぞった後に髪へと口付けを落とした
「 ルイが頑張ってる証だし。子供も大きくなろうとしてる…。嫌いになるな 」
『 むぅ…… 』
「 ふっ、安心しろそんな程度じゃ俺は嫌いにならない 」
『 ほんと……? 』
汚いとか、女じゃなくなるなんて言われるのは嫌だし、まぁ実際にそんな女らしくもないんだが
身体にないものが増えることに心配気に見上げれば、彼は顎に触れ口付けを落とした
「 お風呂上がってから……イチャイチャしよ? 」
『 ん……分かった 』
ちょっとだけ期待したけど、やっぱり大人の余裕向けてきた
御風呂じゃ逆上せるの知ってるから、余り触れて来ないために残念だと思っていれば顔に出たのか彼は楽し気に笑う
『( 笑い事じゃないし…… )』
スキンシップは減ってないけど、ずっと行為をしてないから不安になる
でも、隆一は気にしてないし……私だけこんな触りたいのだろうか
少しだけ考えてから、頭も綺麗に洗って貰ってから先に風呂を出る
寝間着へと着替える前に美白クリームやら保湿やら色々して、御腹にコルセット巻き
髪をドライヤーで乾かせば、レモン水を持って寝室へと行く
御手洗いも来るときに終えたし、布団も気持ちが良いと横になれば、やっぱりすぐに眠気が来る
『( 寝たくないのに……眠い…… )』
イチャイチャしたい、と思いながら眠気に負けて軽く眠りに付いた
「 ……やっぱり疲れてるか…。…ルイ、おやすみ 」
少ししてベッドのスプリング音と沈む感覚に横向きになっていた身体を動かし、片手を伸ばせば彼は掴み自らの頬へと当てる
「 寝て良いぞ、無理は良くない 」
『 ……やだ、イチャイチャしたい… 』
「 眠いだろ?ほら、ねんね 」
寝かせにかかる隆一に、眠気と久々に触れたい感覚に嫌々と駄々を捏ねるように首を振っては、虚ろの目を向け軽く眉を寄せる
『 ……妊婦さんは、嫌ですか…… 』
「 そんなわけないだろ 」
『 じゃ……チューして下さい 』
「 ふっ、全く……可愛いやつ……いつもより激しいの希望? 」
『 ぅ、ん…… 』
むすっとした私に嫌がる事もなく、軽く笑った彼は上へと移動し被さるように向き合えば額へと優しく口付けてから、頬に口付けそのまま唇を重ねた
柔らかい口付けに首へと腕を回せば、何気無くキスをしつつ、彼の片手は動きクッションを引き寄せ私の背中に挟み入れ、軽く上半身が浮くようにすれば膝を立たせ身体へと割りはいる
「 身体、キツくないか?大丈夫? 」
『 ん……平気…… 』
唇が離れ、熱い吐息を吐き彼は私の方の身体を見てから位置とか確認し、もう一度口付け重ねる
隆一は両肘だけで身体を支えて、体重かけないまま腰を反ってるけど、そっちの方が平気なのか気になる
まぁ、本人がこの体勢になったなら良いのかと思い口付けに意識が向けられ舌先を見せれば、彼は口角を上げ舌先を擦り合わせる
『 ふっ、ん…… 』
久々に濃厚な口付けに夢中になり、自ら擦り合わせ甘噛みしていれば、彼の片手は寝間着のボタンを外しピンク色のマタニティブラをずらしと直接胸へと触れた
『 はぁ、ンッ……ん…… 』
腹と同じように大きくなってきた胸に触れられ、恥ずかしくもあり、髪を掴む手に力が入れば、彼は舌先をほどき銀の糸を繋ぎ
プツリと切れれば舌舐め摺りをする
「 脱がして……舐めて良いか? 」
『 ん……いいよ 』
頬へと口付けてから、肩から寝間着を脱がせ、ブラを含めて外せば上半身だけは露になり、肌に感じる部屋の気温にゾクッと震え
彼の指先は左の乳首の先へと摘まみ軽く弄り、反対を見せ付けるように赤い舌で舐めてくる
「 大きくなって……小さい乳首が吸いやすくなってきたな 」
『 はぁっ、ぁ……ん…… 』
摘ままれて弄られる度に下半身に感じる感覚に脚を動かせば、彼の身体に当たる
私が感じてるのが諸に分かることに恥じらいを覚えるも、久々の愛撫に気持ちが良いのは確か…
「 ……ん…可愛い 」
『 んぁ、アッ……おっぱい、きもちいいっ…… 』
「 ふっ…そうか…… 」
口に含んでチュッと軽く吸われたり、唾液によって乳首の先端は、淡い光でも分かるほどに濡れていく
『 んっ……あぁ、あっ…ぁ、っ…… 』
触っていた方向を変えて、両方を吸われて舐められる度に腰は何度もビクッと震えていく
胸だけでトロトロに溶けた思考によって考えられなくなり、舐めてる頭を抱けば気付いた彼は顔を上げて口付けを交わす
「 ン……ん…… 」
『 んッ……っ、ぅ、ん…… 』
気持ちよくて垂れる唾液を啜るように飲み込まれ、胸に当てていた片手は腰をなぞり寝間着のズボンに触れ下げられる
僅かにズラした程度だけど、直接割れ目へと指が当たれば、手の平全体で撫でられ
焦れったさに眉は寄る
『 ん……ン……っ……はぁ……隆ちゃん……ん… 』
「 ンー?なぁんだ? 」
舌がほどけ、口端から垂れる唾液を気にせず言わせようとする彼に視線を向ける
『 …触って……欲しい…中…… 』
「 あぁ……いいよ… 」
舌舐め擦りした彼は、身体を起こし一旦股から退けばズボンと下着を全て脱がしてから肩に置いていたタオルを畳み、丁度いい尻の下へと敷けば
その場を離れ、サイドテーブルの引き出しを開け何かを持ってきた
「 ローションとコンドーム。いいよな? 」
『 ふぁっ、ん…… 』
行為をしてくれるんだ
その事に嬉しくなり、小さく頷けば彼は手にローションを垂らし体温を軽く温めては指にすくって秘部へと埋めた
『 ぁ……あっ!ん…… 』
「 キツかったら言えよ?すぐ止める…… 」
『 うん、ん……だいじょうぶ… 』
中へと入るまだひんやりとしたローションの感覚にきゅっと孔がしまるも、彼は無理矢理する事なく指を動かしていく
コルセットを外す事なく、膝やら太腿に口付けを落とし緊張をほどくように触られると身体は素直に快楽を拾っていく
『 はぁ、あ、んっ、ぁ、んっ……! 』
抜き差し繰り返していた指は増え、中を刺激するように腹側を触られ、脚に力が入り
クッションを掴む手に力が入る
『 りょう、ちゃん……いくっ、ぁ、あっ……やだっ、ぁ、くっ……あっ! 』
軽く下腹に触れ、絶頂感に身体は跳ね達すれば彼は笑みを溢し中をゆっくり動かし、私の身体を横向きへと変えた
『 はぁっ……ん…… 』
「 休憩してていい。ゴムの準備する 」
朦朧とする頭のまま肩で呼吸していれば、背後で服を脱ぎゴムの袋が開く音が聞こえてくることに胸は高鳴る
甘い声で名を呼ばれ、太腿に触れた手に視線を後ろへと向ければ、同じく横向きになった隆一は告げた
「 入れるな…キツかったら言えよ? 」
『 ん……来て…… 』
優しく胸に触れ、そのまま腰から腹へと腕を回せば後ろからゆっくり挿入される
『 ぁ、っ……はぁっ…… 』
ローションを付けてとろとろになったゴムの付いた陰茎は埋まり、浅く入ってから中へと進めば久々の繋がった感覚に後ろを向き、口付けは重なる
「 ハァー……入った…。ふっ…このまま繋がってるの楽しみたいな…… 」
『 ん、隆ちゃんと、繋がってたい…… 』
左手へと指が重なり、激しく動く事なく私の肉壁が彼の質量ある陰茎になれるまでゆっくり待ってくれて
その間に、何度も口付けを交わしたり身体を優しく触れてくれることに心も身体も満たされていく
「 好きだ、ルイ…… 」
『 はぁ、私も…大好きだよ 』
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