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四話 モーニングは和食
風呂場で逆上せた後にそのまま眠ったらしく
全くその後の記憶がない
なんやかんやで昨日はどこのモンスターかってぐらいにクッキーしか食べてないし
流石にお腹が空いて、そっちに目を覚ます
「 ルイ。朝は珈琲と紅茶…どっちがいい? 」
『 ん……むぎちゃ…… 』
タイミングよく寝室に入ってきた隆一
声と共にベッドは軽く沈み、髪に触れては頭へと口付けを落として問い掛ける彼に、まるで外国の朝だな、なんて思いながら目を擦り返事をした
「 有るわけ無いだろ……紅茶な。顔洗って、歯磨きしてダイニングに来い 」
『 ん…… 』
朝御飯があると言われ、ご飯に誘われて眠気があるままゆっくり起きて彼が立ち去った後に起き上がる
『 ……裸じゃん!! 』
そこは何か着せてくれ!!と自分の全裸を見て目が覚めた
じゃ、あの人は一晩中全裸を見てたのか!
上布団がかかってたにしろ風邪引いたらどうするんだって思いながら、グシャグシャの寝癖が酷い髪を掻き欠伸を漏らし目についたカッターシャツを掴み着れば、大きいことに隆一のだと分かるが、服がないんだから仕方無い
そのまま洗面器へと行き、風呂場で見掛けた為に、その付近に有るのは覚えてて
迷うことなく着けば昨日はなかった未開封の歯ブラシが置かれてるのを見て、手に取れば開けてゴミ箱に入れ、チューブを付け歯磨きをしていく
コップを見れば色違いのお揃い
どこのバカップルだよって思い、歯ブラシも似たもの
どのメーカーでも安ければいいって考えの為に、この歯ブラシを考える気はない
普段通りに磨いて、ボッサボッサの髪を水を使って軽くクシで整えてから、顔を洗いハッキリと目を覚ましてダイニングへ
『 ……はよ…いい匂いする 』
「 おはよう。昨日は食わせて無かったからな、作った 」
『 ……へぇ……ん?作った? 』
案外、挨拶は返してくれるだなと思い大理石のテーブルの上に白いテーブルクロスが敷かれ
その上に既に三つほど料理が並んでいれば、私の方っぽい黒猫の茶碗が置かれたのを見てそっちに座る
作った?って疑問になっていればスーツの上から紺色のエプロンを着けた彼は目線を手元に向けてからこっちに来た
意外に似合ってるのが、何とも言えない……
「 嗚呼、料理しろと言われてるからな……ご飯はこっちか。まだ食うなよ 」
『 ……待つって… 』
誰に?とは聞けず、待てと言われた犬みたいに目の前に並べて置かれる料理を見ていく
十六穀が入ったご飯が左側、キノコが入った味噌汁が右側、漬物やら煮物系が置かれ、中央に鮭の切り身がある
朝からこんな八種類の料理が並んだことが驚きだが、これ等を全て自分で作ったと言うのだから女を止めたくなる
「 ……こんなもんか、食べていいぞ 」
スマホを向け朝御飯を写メった隆一は、和食に合わない飲み物を其々置き、エプロンを脱げば前へと座った
『 えっと…いただきます 』
「 いただきます 」
私が手を合わせるのを見てから、同じく手を合わせ、十六穀のご飯茶碗を持ち一口食べれば馴染みの無い味に頬は緩む
『 このご飯…美味しい 』
「 ごま塩を振るといい…気に入ったか? 」
『 うん… 』
「 俺は白飯以外は好きじゃないが、御前が気に入ったなら朝ぐらいは炊く 」
横側に置かれたごま塩の瓶を持たれ、手元に置かれればちょっとだけ振る
もう一度食べれば塩気が確かに、美味しいと思いご飯を置いてから口へと運ぶ
『( 案外、ガツガツ食べるんだ…… )』
「 はぁー……味うすっ…… 」
もっとマナーを考えて食べるのかと思ってたけど、ご飯茶碗を置くことなく箸で詰まんでは口へと運ぶ様子に安心する
自分で作った料理に文句言って、醤油やらかけていく様子にちょっとだけ笑える
『 ふっ……美味しいよ? 』
「 レシピ通りに作ってるからな。この玉子だが、御前は何派だ?これは少し塩を入れた程度のやつだ… 」
少し焦げ目がついた玉子焼きに箸を向けて告げた彼に、自分の方にある玉子焼きを摘まんで一口で食べてみる
『 ……だし巻き玉子が好きかな。ちょっとしょっぱい 』
せっかく作ってくれたのに文句言っていいのかは分からないけど、好みをいれば彼はスマホを持ち検索し始めた
「 だし巻き玉子…あぁ、これか…… 」
『 だしの入ったタッパーにつけて置いたのだと、もっとしみて美味しいよ 』
「 ……カロリー考えてやってやる 」
『 うぅ、カロリーは知らないよ…… 』
そんなカロリー計算なんてしたこと無いと、鼻先が痛くなる
こんな良くできた夫の相手をする私が、カロリー計算もしたこと無い、好き勝手に料理を作る奴でいいのだろうか
ダシ巻き玉子とご飯だけの夕食なんてあったから、こうして食べることさえ初めてだよ
それに、ダシ巻き玉子一本じゃなくて切られてるって…
『 あれ、そう言えば?残りの料理は? 』
「 ……タッパーに入れて保存するよう言われたからしてる。食うなよ? 」
『 食べないけど…なるほど…… 』
捨ててなくて安心したと頷き、煮豆を食べては頬を緩ませる
『 フフンッ~、おいしいっ 』
「 ………… 」
親しみ無い味はどれも美味しくて、ニコニコとして食べれば感じる視線にハッとし笑みが止まれば問う
『 えっと……なに? 』
「 くそまずい料理を美味しそうに食べるなと… 」
『 そんなこと無いよ。胃に優しい病院食っぽいけど…全然美味しい 』
「 それ、褒めてねぇよ。味が薄いんじゃねぇか 」
『 あ、あははっ…… 』
まぁ、ちょっとカロリーの暴力的なのを食べてた若者にとってはお年寄り向けの料理だと思う
でも、美味しいと鮭を食べたりしていれば全部完食していた
猫みたいに、緊張して食べれない!なんて思ったけど……一対一だし、こっちを結構見てくるけどご飯とかおかわりしてるのを見て食べやすい
この身体で小食なんだ、とか言われたら食べ辛いから丁度いい
『 あ、皿洗うよ! 』
「 食器洗い機だから必要ない 」
茶碗すら片付けられ、手伝おうとすれば軽く水で洗い流した程度で、見慣れない機械へと入れていく
「 ついでに乾燥付きだから、御前がやることはない 」
『 洗濯! 』
「 終わった、つーか…俺のカッターシャツだろ…脱げ 」
テーブルクロスを外す様子を見て、何かしようにも出来ないことにむすっとしていれば
改めて服を見たのか、手を伸ばして掴もうとした彼に背を向けて胸元を押さえる
『 やだ!下着含めて無いから、脱げない! 』
「 ……あぁ、今日中には届くだろうが…。今は、何も履いてないのか? 」
『 っ……!! 』
図星だ、履き物が無くて下着をつけてない事に恥ずかしくなれば本人はクツクツと笑って、私が逃げそうになった身体を抱き、後ろから抱き締めてきた
『 いやっ!離せっ! 』
「 そのまま下着を着けずに居ても良いぞ?目の保養になる 」
『 なるか!変態!! 』
背が高いと改めて思う
平均身長より高い私に比べても背中から包み込む程はある
きっと胸板が広いから尚更、大きいのだと思うけど片手が太腿へと滑り入り割れ目に触れれば息は詰まる
『 っ!はぁっ……い、やぁ…… 』
「 男の前で、その格好は反則だろ? 」
耳元で囁かれるだけで身体は夜の事を思い出し震え、反らした方の耳へと口付けられ舌先が滑れば首筋へと顔を埋まり、指は中へと埋まった
『 あっ!っ…… 』
脚は震え立つことすらままならない感覚に、彼のスーツを掴めば中に触れる指は抜かれ透明な液体を付けた手を見せられる
「 下着は付けた方がいいな。簡単に濡らしてたら汚れるだろ 」
『 うぅ…… 』
何も言えない、その指を舐めた彼の横顔を見れば色気を含む容姿に身体の痺れを感じる
「 どうした?何をして欲しいか言ったら、仕事行く前に構ってやるぞ 」
『 ……っ 』
言ったら負ける、でも触れて欲しくて口元に寄せた手首を掴み、顔を向けていた
『 キスして……ほしい…… 』
「 いい子だ…。沢山してやろ 」
触れるよりもっとキスして欲しくて、告げれば彼の手は離れ向き合うようにし
軽く背を曲げて頬に触れ口付けを落としてきた
『 ん…… 』
心地のいい口付けに背中へと腕を回せば、何度も優しく唇は触れ、リップ音が聞こえてくる
『 ンッ、ん…… 』
唇を舐められ、呼吸と共に舌先はいれば自ら求めて擦り合わせる
唾液が交じり触れ合う部分から感じればうっとりした表情になる
気持ちよくて甘くて、ふわふわするようなキスに愛情とかどうでもいいぐらい優しさがある
そんな気持ち悪い位、激しくないからゆっくりと擦り合わせてくれるのに嬉しくなる
もっと、とばかりにキスしていれば後頭部を押さえていた手は前に着て、気付いたときにはシャツの釦は外れ
彼は軽々と腰と太腿の裏に腕を置き、抱き上げた
『 わっ……っ、……ビックリした… 』
少し歩いた程度で背中から押し倒され、ソファーだと気付き驚いた様にすれば、隆一は笑みを溢す
「 昨日の御返しに舐めてやる…時間的に挿入してたら、遅れるからな 」
『 えっ、あ…やっ、んぅ! 』
確かに挿入したら長い人だけど、そこは流石に嫌っと否定する前に、開かれた股の間へと顔を埋めた彼は、舌先で割れ目に触れ
既に濡れてる部分へと生温い感覚に身震いする
『 ぁあっ!いっ、ぁっ!ンっ! 』
卑劣な音が響き、唾液か蜜か分からないほど溢れ出て、時折舌先がクリへと触れ二本の指が中を掻き回し動けば身体は跳ね脚に力が入る
『 いっ、だめっ、ぁ、あぁあっ!いっちゃう、いっ、ア、ンゥ……ンンッ! 』
背筋を反らし、身体に力が入り弓が放つように簡単に果てれば啜り飲む彼に顔は熱くなる
抜いた指と共に口元を舐めれば、マナーモードが響くスマホを取り出す
「 嗚呼、直ぐに行く。もう少し待ってろ 」
どうやら相手は蓮さんのようで、車を待たせてるみたい
同じ仕事場なのは話しとかで分かってたけど、御迎えも弟さんなんて…
絶頂期に震える私を見てスマホを切りポケットに直した彼は、髪に触れ額へと口付けを落とす
「 昼御飯は冷蔵庫の中に置いてある。行ってくる…… いい子で帰りを待ってろ 」
『 ん……行ってらっしゃい 』
「 嗚呼、行ってきます 」
離れてからキッチンで手を洗い、うがいをしてから彼は荷物と弁当を持ち部屋を出た
一人になった空間に、深く息を吐いていれば聞こえてきたクロの鳴き声に起きる
『 あ、ご飯!! 』
クロー!!と直ぐにケージへと行けば既に開けて欲しそうなクロと…お皿にはカリカリじゃないものが入ってた
『 高級猫缶……クロの舌が肥えてしまう!! 』
それに顎も弱くなるから、カリカリも食べてもらおうと猫缶と別にカリカリを置く
クロは、親しみ慣れたカリカリの方が好きらしい
ちょっとだけ安心した
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