エチケット

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 新型コロナウイルスの蔓延で、世界中手洗い、マスクはもはや欠かせない作法となりました。とくにマスクは人前に出ていく際にはもはや必須。マスクをしていないと、あわや「非国民」とも見られるような雰囲気です。マスク不足も深刻です。とくに医療機関にはなかなか広まっていないのが急がれる課題と言われています。  マスクをすることは、自分がうつらないこと、と同時に他人にうつさないことも意味しています。これはもはやエチケットといってよいでしょう。  エチケットの語源はご存知ですか?ご存知でしたら読む必要はありません。  時代は300年以上も前の17世紀の話。皆さまご存知だと思いますが、「太陽王」とも言われたフランスのブルボン王朝第3代国王ルイ14世は1682年に豪華絢爛なお城を建造しました。皇帝は一般人にもお城の庭を開放しその威信を見せつけたと言われています。また貴族には宮殿内に住まわせ陰謀や反乱を防ぐとともに、毎夜、豪華な饗宴会、舞踏会などが開かれたといいます。  しかしご存知の方も多いのでしょうが、ベルサイユ宮殿には、トイレがありませんでした。貴族は皆、自分専用のオマルを所持して、それで用を足していたのです。 ルイ14世に至っては200個以上のオマルを持っていたそうで、もはやコレクションの域に達していたと言っていいでしょう。  困ったのはベルサイユ宮殿に住んでいない招待客です。用を足したくても、オマルがない。切迫した客人は、庭に出て、人目につかない茂みや灌木の間で用をたした、と言われています。  これが長く続いて困った、いや怒ったのは庭師の人たちです。綺麗に植えた植物たちの生育に影響するからです。困った庭師は皇帝に相談します。 「それでは立て札を立てよ」それが皇帝の返事でした。 庭師たちは宮殿の庭のいたるところに注意書きの立て札を立てます。 「ここで用をたすべからず」 立て札のことをフランス語で「チケット」と言いました。これに「エ」という言葉がついて「エチケット」となったという訳です。 のちに振る舞いを戒めるという意味から、「心の花園を荒らすな」という意味合いに変わっていきました。(ウィキペディアより)  また諸説あって、ベルサイユ宮殿に招待された賓客には入城する際、招待券を配られた、といわれています。そこに宮殿内のマナーに関する細かな注意書きが書かれてあったことから、(当然、庭での用足し禁止も含まれていたでしょう)エチケットは、やってはいけないことを意味するようになったと言われています。
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