コンビニで売ってる消しゴムが残り一個だった話

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 どうも僕は他の人と思考がずれているらしい。どこに行っても何をしても上手くいかなかった。  最近、ようやくそのことに気付いたが、気付いたがとこらでどうにもならない。改善しようという気すらないのだから仕方ない。  こんな僕と長く付き合ってくれているのは幼馴染の神坂裕翔くらいだ。  彼はすらっと背が高くて、頭が良くて、でもちょっと無愛想だ。しゅっとした整った顔はしているけれど、何となく近寄りがたい雰囲気がある。  それに、僕と仲良くしてくれているけれど、別に彼が特別親切な人間だというわけでもない。  でも、それがかえって居心地が良かった。  彼は僕に普通の振る舞いだとか、優しさとか常識とかそういうのを求めないから。    大学を卒業して、裕翔はちゃんとした会社に勤める会社員になった。  僕は入った会社を三ヶ月で辞めた。  それからレストランとか清掃とかコールセンターとかで働いたけれど、あんまり続かなかった。  裕翔はたまに僕のところに来る。  社会人になってから会う回数は減ったけど、相変わらず仲良くしてくれている。 「俺、お前のことが好きなんだ……」  僕はコンビニのバイトをはじめた。 「え、いつから?」  突然の告白に驚く僕と顔を赤くしていたたまれなさそうな裕翔。  いつもより小さな声でぼそぼそと話しているの彼の姿が珍しくて面白かった。 「き、もちわるいと思うよな、男同士で……」 「いつから僕のこと好きだったの?」  裕翔がぽつりと中学の時、と呟いた。 「お前に彼女ができて、ショックで、ああ、好きだったんだ、って……」  全然、気が付かなかった。  裕翔がまさか男が好きで、ましてや僕のことをそんなに昔から好きだったなんて。  僕も裕翔のことが好きだけど、それはあくまで友人としてだ。まさか、そんな目で見られていたなんて。 「悪かった、俺、もう帰る……もう来ないから」  待って、と彼の手を掴む。 「明日、休みでしょ?」  裕翔が泣きそうな顔をしてた。  それからぎゅうと抱きしめてきたかと思えば僕のほおを撫でてキスをした。目を閉じていたからその時の裕翔がどんな顔をしていたかは知らない。  朝、目が覚めて、隣に眠る彼をみた時、悪くないと思った。  もちろん、尻の穴を人に弄られるなんて初めての経験だったし、男の性器をいれられるなんてなおさらだ。  でも、彼は幼馴染みで、仲良くしてくれて、好きだった。
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