ユリアの決意。

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これで本当に母親と父親になったのだと実感する。  チラッとあの男を見ると頬を染めながら、その命に感動していた。 私は、その姿を見てどうしようもなく幸せを感じたのだった。  そしてあの男と一緒に頑張って、この子達を育てて行こうと心に誓った。  それから数ヵ月後が経った。 私達は、子育てに奮闘する。なんせ双子だ。  泣くのも世話をするのも二倍だから大変……。 お腹が空いたとぐずるので私は、手早く母乳をあげる。  この国では、王族でもあるから頼めば乳母が子育てをしてくれるが私は、自分の手で育てたかった。  元の世界の母親は、そうやって育ててきた。 私も例外ではない。たくさんの愛情を貰ったことをこの子達にも体験させてあげたかった。  それに自分がしてもらった母親への恩返しでもあるから。  リリアンに母乳をあげている時は、あの男がアシェルを抱っこして待機しているのだが アシェルは、早く呑みたいのか嫌だと泣いていた。 「こらアシェル。大人しくしろ。 よしよし。いい子だから泣くんじゃない」 「ふぎゃああ……」 「あぁ……よしよし。もう少しだからね。 リリアンが呑み終わるまで待っててね」  さらに泣き出す我が子を見てあたふたしている姿を見て何とも微笑ましいわねと思った。  今は、ツンデレどころではないのがまた可笑しい。 私は、それを見ながらクスクスと笑っていた。  あの極悪非道だと言われていた皇帝は、実はツンデレだったが今は、着々とイクメンに成長中だ。  めでたし、めでたし♡ END。
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