【短編】何でもない日

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 どうして和馬となら、こんなに無防備に無邪気に幸せに浸れるのだろう。  優しい眠気が思考回路をゆっくりと止める。理由なんてどうでもいいとでも言いたげに。  そう、理由などないのだ。  彼のそばにいられることが幸せなことには違いないのだから、ただそれだけのこと。  ランチには何を食べようか。  この間作った炒飯は割と好評だった。今日は親子丼でも作ろうか。ご飯は残っているはずだし、鶏肉も卵もある。玉ねぎもあった。三葉は流石にないけれど、なくても構わない。  それともパスタでも茹でようか。  午後は何をしよう。しおんは何の予定もない。部屋で二人でゆっくり過ごそうか。  彼の予定はどうなっているだろう。起きたら聞こう。  夕方には彼が仕事に出て行くから、いってらっしゃいのキスで送り出す。夕食を食べてから、のんびり散歩をしながら彼のバーまで遊びに行こう。  何でもない、そんな一日。  何でもないから、特別な一日。  しおんはすぅっと眠りに落ちる。
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