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奏は奈美を足元に降した。
光の上に立ち、奈美は辺りを見渡す。
「今までも何度かあったけど……今回のはなんだろ、これ?」
奈美は球体の端まで歩き、光の壁を右人差し指でつついた。「へぇ……風船みたい」と独り言のように言った。
「よくわからないけど、光のバリアみたいのになってるみたいね。光の球体に私たちが入ってるって感じかな」
「これが小島さんの能力……」
「私もどんな能力が目覚めるかわからないから、行き当たりばったりなんだけどね。さ、脱出するよ。あいつらから逃げないと」
「あ、待ってよ」
奈美が光の壁に左手を当てるとその壁を擦り抜けはじめる。もう片方、右手を奈美が伸ばしてきたので、奏はその手を握った。そのまま手を引かれ、奏もまた光の壁を通り抜けた。
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