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「パパ!ポチ見つかったの?!本当に良かった!」
暗闇の中、パパの後ろからゆっくりとママが現れた。
足元が暗く用心しながらアイツが包まった柔らかい布を大切に抱かえながら現れる。
「良かった。本当に心配していたのよ、、、。」
暗くて顔は見えなかったけれどママの声は涙声だった。
「本当に心配して探し回ったんだぞ!【ポチ】!一体何処まで行ってたんだ!!」
「パパ!!......シッ!」
私はママのちょっと怒った声に驚き顔を上げた。そこには人差し指を唇に当てたポーズのママ。
「ダメよ。今、この子寝たばかりだから。小さい声でね。」
ガックリとしたパパを励ます様に私はクゥンと頭を垂れ下げ、パパの足元に体をすり寄せた。
捨てられたんじゃ無かったんだね。
本当に?
私は凄く安心した。
その為に帰りの車内では猛烈な睡魔に襲われて
暖かいシーツの下で体を丸めおぼろげな意識の中、短い耳をピクピク動かしながらパパとママの会話を聞いていた。
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