白と黒

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ママが渋った理由はわかっている。アイツだ。 おぎゃあ、おぎゃあと泣くうるさいやつ。 外出はアイツに手間がかかる。だからママは嫌なんだ。 ああ、鬱陶しい奴。 今まで私を中心にしていた生活は全て奴に取って代わられたんだ。 パパとママは私をあんなに愛してくれたのに...... 私はふと周りを見回す。 もしや深い木々の間隔は狭くなり私は更に山奥へと迷い込んでるのではないか。 険しい起伏の獣道は体力を削り、汗をかいた体はヒリヒリとした痛みを帯びた冷たさを感じ始め疲労が溜まり...... ......やがて僅かな、ぬかるみにズルリと足を滑らせて体が横たわり私は痛みと疲れで動く事が出来なくなった。 朦朧としていく意識の中、パパとママの事を再びゆっくりと思い出していく。
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