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.........いつももっとご飯を食べなさいとママに怒られるパパ。
ひょろっとした色白の人の良さそうな笑顔、どこに筋肉があるかわからない細い腕で私をいつも抱きしめた。
綺麗なママ。髪がクルクルしてる可愛いママ。
沢山抱きしめて「大好きよ。」とパパとママは私にキスをして、毎晩ベッドで一緒に眠った。
「ママ、凄く元気になったね。」
パパが嬉しそうにベッドでいつもの同じ話をする。
「不妊治療の時はいつも辛そうだったから。でも........本当に諦めて良かったのかい?」
「なに言ってるの?パパ。子供はここにいるでしょう?」
そう笑ってママは隣で眠る私の頬にキスをした。
私はパパとママから生まれたんじゃないんだ。
捨てられてた私を引き取ってくれたんだよ。
だから本当のパパとママは知らない。
でもいいんだ。私はとても幸せだから。
「可愛い私達の《天使》。ゆっくりお休みなさい。」
......うん、パパとママ おやすみなさい。
ある日ママが白い棒を見せてパパと抱きあって喜んだ。
『奇跡だ』と白い棒の丸い窓についた赤い線をバカみたいに何度も2人で見ていた。
何かいいことがあったのかな?
その時、私はまだその程度にしか思って無かったんだ。
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