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「蓮、私を捨てて肇の元へ行く事は許さないよ?」
ゆるやかに腰をグラインドさせながら、冗談交じりの声色で、光石が語りかける。
「ふあっ、あっ……」
「お前が喜ぶ場所はすべてわかっているよ、蓮」
「ふっ、……んんっ、あっ、気持ち、いい」
「いいこだ、蓮……私から離れることは許さない、わかるね」
「あっ、あっ」
意識せずとも、甘い息が漏れる。光石は蓮が望む場所を突いてくる。強弱をつけて前立腺を刺激され、二人きりの寝室に喘ぎ声がいやらしく響く。束縛は愛だ。蓮は光石の言葉を愛しく思う。紅く光る光石の双眸に見つめられ、身体に熱が走る。愛している。
「私は、あなたを、愛しています……」
吐息とともにこぼれた言葉は、真実だ。でも、この先の未来は、わからない。
光石の熱を受け入れた蓮の身体は甘い痺れで満たされていく。なのに心が、追いつけない。
愛する男に身体を預けながら、蓮は自分のために涙を溢した肇の姿を思い、愛しさを募らせた。
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