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先輩と私
九州にある進学校に入学して1カ月が過ぎた。
1年1組の進学クラスの私『紗倉 穂花』は、クラスに友達もでき毎日を楽しく過ごしている。
その友達との会話でよく出てくるのは『イケメン』の話だ。
背が高く、足が長い
サラサラの髪に爽やか過ぎる笑顔
少女漫画とかに登場しそうなキラキラした男子
…そんな人が現実にいるものなのか?
私は友達の話を聞きながらそう思っていた。
しかし今、私の目の前にはその全ての要素を持ち合わせたイケてるメンズがいる。
「紗倉さん、これもお願い」
「…またですか」
放課後、私は生徒会室で要らなくなったプリントをシュレッダーにかけていた。そんな私にニッコリしながら紙を渡してきたのは、3年の香月先輩だ。
香月 真尋先輩…生徒会の副会長で3年2組の進学クラスの優等生。成績優秀、人柄良し、容姿良し、背が高く運動神経抜群、まさかの彼女なし、そんな先輩はモテ過ぎるのが悩みらしい。
渡された紙をチラッと見ると、明らかに盛られたプリクラや携帯番号らしき数字、SNSやってまーすとアピールした文章が書かれている。
「本当にシュレッダーかけちゃっていいんですか?」
答えは分かっているけど、一応確認してみる。
「個人情報を簡単に教えたらダメだよね」
シュレッダーかけるのを躊躇している私の手から紙を奪い、香月先輩は迷いなく笑顔でシュレッダーにかけた。
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