先輩と私

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私は生徒会の正規メンバーではなく、生徒会補佐係として生徒会の仕事を手伝っている。 なので、香月先輩ともこうやって話す機会があるけど、毎日のように告白されたり連絡先が書かれた手紙を貰ってはシュレッダーにかける日々だ。 香月先輩曰く、毎年こんな感じらしく「時期に収まるから」とは言うけれど、まだまだ香月先輩のモテ期は収まらないと思う。 「真尋が早く彼女作れば、女子達も騒がなくなるんじゃないか?」 横から嫌味たっぷりに言うのは、宮原(みやはら) 敦士(あつし)先輩だ。 宮原先輩は生徒会の会長を務めている。体育会系の体質でリーダーシップに優れた人だ。そしてクラスは違うけど、香月先輩とは仲の良い親友とか。 「彼女ねぇ…今のところ別に興味ないな。受験の方が大事だし」 「受験があるからこその彼女だろ!?可愛い彼女に『受験頑張って』って言われながら頑張りたいじゃないか」 「じゃあ彼女作れば?」 力説する宮原先輩に香月先輩はニッコリしてサラッと一言言った。 「あー、今お前はモテない男を全敵に回したぞ。彼女なんてそう簡単に作れるわけないじゃんか」 こんな2人のやりとりは日常茶飯事だ。私は会話を聞き流しながら椅子に座る。 「ちわっす。敦士先輩、放課後もテンション高いっすねー」 元気に入ってきたのは、2年の小谷(こたに) 隼也(しゅんや)先輩だ。生徒会のムードメーカー的な存在で、元気少年という言葉がよく似合う。 その小谷先輩の後ろから同じく2年の森野(もりの) 蒼一郎(そういちろう)先輩が入ってきた。森野先輩は小谷先輩とは真逆で口数が少なめのクールな感じの先輩だ。
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