目覚めたら、妻が豹変した(ローデリヒ)

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 当時のローデリヒは十七歳。  元々恋愛結婚した両親がとても冷え切っていたのを見て、結婚に理想はあまり持っていない冷めた少年だった。  だからこそ、恋愛結婚より国に有利になる政略結婚を選択した。  でもほんと少しだけ、ほんのひと握りだけ、ローデリヒは期待していたのである。  まだ十七歳。女子に興味がとてもあるお年頃。  堅物として生きてきたローデリヒは、それまで浮いた話は一つもなく、自分自身の身辺も清廉潔白にしてきた。  愛人の影なんて全くない。真面目が取り柄の人間だった。  それだけでなく、アリサの見た目はローデリヒの好みど真ん中なのである。  ブロンドの髪は艶やかで波打っている。やや猫目のピンク色の瞳は大きめ。化粧をしていない時でも薄ピンクの唇はぷっくりしていて可愛らしい。  数ある政略結婚相手から彼女を選んだのも、どんな性格の人間か全く分からないのだから、せめて好ましい見た目の女性にしようという気持ちからだった。
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