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「はい。ローデリヒ殿下はこのキルシュライト王国の王太子様ですから」
「お……っ?!王太子?!」
思わず目を見開いてギョッとする私に「あんまり興奮されては駄目ですよ」と馬をなだめるようにゼルマさんは言った。
いや、王太子ってそんな。おとぎ話の王子様っぽいな〜なんて呑気に思ってたけど、リアル王子様なのかあの人。
なんかすごくローデリヒさんって、近所のお兄さんに呼び掛ける感じの雰囲気で話しかけちゃってたけど大丈夫?殺されない?
冷や汗がダラダラ流れ落ちる。
ん?それじゃあ、私は?
「あれ?つまり妻の私って……?」
「ええ。ローデリヒ殿下の正妻、立派な王太子妃様ですよ」
「へ、へえ〜……」
目が泳ぐ。
私、ただの一般的な女子高生なんだけど……、なんかヤバくない?結構ヤバい地位にいるんじゃない?これ。
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