思い出せない?

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 完全にドン引きしてしまった私の様子を何か勘違いしたのか、ゼルマさんが心配そうに覗き込んでくる。 「色々な事があったばかりでお疲れになられましたか?ただでさえ大事なお身体なのですから、あまりご無理はなさらないで下さい」 「へっ、……あ、いや、全然大丈夫です!」  慌てて両手を振る。むしろよく寝て快調。  普通にベッドから出て動き回りたい。 「身体はもう何ともないので、動きたいなって感じです」  階段から落ちて頭打っていたくらいだから、許されるかな〜っと、ダメ元で聞いてみた。けれど、ゼルマさんはあっさり頷いてくれる。 「あまり長時間でなければいいですよ。奥様は読書がお好きでしたから、図書室にでも参りますか?」  ゼルマさんの提案に私は思わず固まった。  ……あれ、私ってば読書好きだったの?  初耳なんですけど。  どちらかと言うと、クラスでは物静かに読書をしている子達とは違って、友達と体育館でワイワイとバスケをしたりする活発なタイプだった。
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