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……な、なんか、凄い小言言われてる。学校の頭でっかちの数学の先生みたいだ……。よく廊下を走って怒られるんだよね。
私が届かなかった本を易々と取った彼は、銀色の表紙の本を私に差し出してくる。やっぱり見た目派手だなこの本。
「貴女の好きなロマンス小説がここに紛れていたのだな。司書にはあとで私の方から忠告しておく。……まあ、これだけ本があるんだ。たまにはミスもするだろうが……」
司書がいるとか、サラッと凄い事を聞いた気もするけれど、それよりもロマンス小説を開いて私はローデリヒさんに突き出した。それに目を落としたローデリヒさんの動きが全停止する。
「あのこれなんですけど」
「ちょっ、濡れ場シーンを見せつけてくるな!」
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