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ローデリヒさんは顎に手をあてて考え込む。
考え込んでいたけれど、結論が出なかったのか深々と溜め息をついた。
「……そうか。だが、私は演技という可能性を捨てたわけではない。アリサ自身の受け答えがしっかりしているからな。ジギスムント、しっかり見極めろ」
「はい」
おじいちゃん先生に偉そうに言ったローデリヒさんは、今度は私を視界に映した。冷たい雰囲気を持つ彼に見られて、自然と背筋が伸びる。
「貴女も自分一人の身体ではないからな。気を付けろ」
なんか私にもすごく偉そうに言ってきたのだけれど、気圧されて頷いた。
キリッとキメて、ローデリヒさんは堂々と部屋から出て行った。すごいな、イケメンだから様になっている。
そして、ずっと私は疑問に思ってたんだけど……。
「ジギスムントさん。ここ、どこですか?」
この中世から近世のヨーロッパの貴族の宮殿みたいに豪華な部屋、一体どこなんだろうか?
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