プロローグ

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本来だったら一緒に登校できていたはずだ。こんな珍しい雪の日だ。遥生と話しながら登校したかった。 ちなみに言っておくと、遥生は彼氏などではない。私が小学校低学年のときに、遥生が転校してきたのだ。 いわゆる、幼馴染ってやつだ。 家も近く、近所に仲のいい友達のいなかった私は遥生とすぐに仲良くなった。 以来、登校はほぼ一緒なのだ。なんと高校も同じところに進学することになり、今でも一緒に登校している。 小学校から高校まで、ここまで一緒にいるのは遥生だけだ。 中学生のとき、付き合ってるんじゃないかと疑われたことも少なくはない。むしろ、ほとんどが勘違いをしてたのではないか、というほどだ。 彼氏だとか、恋だとか、そういうことに興味を持ちやすい時期だったのもあるのだろう。 同級生のそういう絡みに2人揃って興味なかったせいか、照れどころか反論もしなかった。 言いたいやつには言わせとけスタイルだったせいで、それはそれは恋バナとやらの話題に持ち上がるのは当然みたいなものだった。
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