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私、ちゃんと呼吸出来てる…?
はぁ、はぁ、と何度も荒く、確かめるように呼吸を繰り返す。
「…お前、そんなこと」
「っ!私、なんてこと…っ」
ドサリ、と大きな音がした。私は今どんな顔をしているのだろう。苦しい、辛い。それでも、体は勝手に動いて、リビングをそっと覗く。
大きな音はお母さんが崩れ落ちた音だった。座り込んで、口元を抑えては震えている。お父さんはそんなお母さんを見て呆然と立ち尽くしていた。
ふと、気配を感じたのだろう。お母さんが顔をゆっくりと上げる。そこで、リビングを覗く私と目があった。お母さんの目がじわじわと大きく開かれる。
「…な、な…っ」
お父さんも勢いよく振り返って私を見ては言葉をなくしていた。一瞬で静まり返るその場。
私のメンタルは、この状況は持ちこたえられるほど強くはなかった。
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