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顔を見られたくない私は、再び彼に背中を向ける。 溢れてくる涙を袖で何度も何度も拭いた。こんな情けない顔をみせる訳にはいかない。 「…おい、こっち向けよ」 その声と共に、真っ暗な空が視界に入ってきた。何事か、と現状を把握する。 遥生が私の頭の上に手を置き、ぐいと上を向かせていたのだ。 涙で視界がゆらゆらと揺れるが、遥生が覗き込んでいるのはわかる。彼の表情は泣きそうだった。悲しそうに見えた。 「…なんか、あったんだろ」 彼はもう、何があったのか気づいている。そう察した私は、力なく「うん」と返事をした。 遥生が私の手を引きながら向かったのは、近 所の公園だった。小さい頃、よく遊びにきた記憶がうっすらと残っている。 遥生はブランコに座ると、私にも座るように言ってきた。
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