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「…なんで、遥生が泣くかな…っ」
私は立ち上がって遥生の胸に飛び込んだ。背中に手を回してしがみついた。たくさん、たくさん泣いたはずなのに涙はまた溢れだした。
なんでかな、君のことじゃないのに。全部全部私の事情で、君は全く関係ないのに。ただの幼馴染なのに。君は私の代わりに、私のために綺麗な涙を流してくれる。私のことを考えてくれる。私に泣いていい、頼っていいと言ってくれる。
遥生のTシャツ、涙でびちょびちょになるな、なんて思ったけど、気にしない。君が良いといったんだ。私は、枯れるまで泣くよ。
「…う、うぅ…」
君がいない世界なんて想像出来ない。君と出会えてよかった。
君は世界で一番の……
真っ暗な公園。灯りは電燈くらいしかないのに、今までで一番温かい、明るい光を感じた。
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