2.盛夏

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夜になって、プックンはなかなか寝つけず、ベッドの上で何度も寝返りをうった。 (今日お花畑で、パママンパはつらそうな顔をしていたなあ……) プックンはむくりと起き上がった。 「ああ、だめだ。眠れないや」 お散歩でもしようと思って、プックンは上着を手につかんだ。 毛糸で出来たポンチョを頭からすっぽりとかぶる。 真夏でも夜は冷えるのだ。 プックンは地中に穴をほって作られたお家から、もぞもぞとはい出した。 すんだ空気を胸いっぱいに吸いこむ。 ひんやりとした空気のおかげで、8本の触手の先まで、ピチピチ元気になっていく気がした。 すっかりごきげんになったプックンは、いいことを思いついた。 (そうだ。お花を見に行こう) ブルーライトフラワーは、なんといっても夜がよい。 なぜなら…………。 「うはぁ……」 プックンの口から、白い息と一緒に、ため息がこぼれた。 真っ暗な夜、真っ暗なはずの大地に浮かび上がるのは、青い光だった。 青、青、そしてまた、青。 お庭いっぱいに、満開のブルーライトフラワーがまたたいている。 プックンの瞳も、青く光る花びらにつられて、キラキラッとかがやいた。 あれれ、だけど、あんな所に人かげが……。 腕の数がプックンの倍以上ある。きっと、あれは……。
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