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夜になって、プックンはなかなか寝つけず、ベッドの上で何度も寝返りをうった。
(今日お花畑で、パママンパはつらそうな顔をしていたなあ……)
プックンはむくりと起き上がった。
「ああ、だめだ。眠れないや」
お散歩でもしようと思って、プックンは上着を手につかんだ。
毛糸で出来たポンチョを頭からすっぽりとかぶる。
真夏でも夜は冷えるのだ。
プックンは地中に穴をほって作られたお家から、もぞもぞとはい出した。
すんだ空気を胸いっぱいに吸いこむ。
ひんやりとした空気のおかげで、8本の触手の先まで、ピチピチ元気になっていく気がした。
すっかりごきげんになったプックンは、いいことを思いついた。
(そうだ。お花を見に行こう)
ブルーライトフラワーは、なんといっても夜がよい。
なぜなら…………。
「うはぁ……」
プックンの口から、白い息と一緒に、ため息がこぼれた。
真っ暗な夜、真っ暗なはずの大地に浮かび上がるのは、青い光だった。
青、青、そしてまた、青。
お庭いっぱいに、満開のブルーライトフラワーがまたたいている。
プックンの瞳も、青く光る花びらにつられて、キラキラッとかがやいた。
あれれ、だけど、あんな所に人かげが……。
腕の数がプックンの倍以上ある。きっと、あれは……。
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