3.晩夏

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3.晩夏

ピンク色の空に青色がよく映える。 ブルーライトフラワーは満開を過ぎて少しだけしょんぼりとした印象だ。 それでも朝日を浴びると花は背筋をのばして、ピン、と朝つゆをとばす。 太陽が天井からさしこんで、「おはよう」と、プックンたちにあいさつをした。 プックンはのそのそとベッドからはい出す。 寝坊をしてしまった。 夏の終わり、だんだん日が短くなってくると、起きる時間もおそくなってしまう。 プックンの10人部屋にはもうだれもいなかった。 みんないつものように、小さい妹たちの面倒を見て、朝ご飯を作ってくれているのだろう。 外から吹いてくる風が、ガタガタと屋根をゆらしてプックンを急かす。 早く行かなきゃ。 冷たい地下水で顔をあらうと、プックンはペタペタと食堂に走っていった。
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