14人が本棚に入れています
本棚に追加
プックンが暮らすのは宇宙のどこかにある小さな星だ。
太陽がずいぶん遠くにあるからとっても寒い。夜ストーブをたかなくてもいいのは、一年のうちほんの数日だ。
今は初夏。
プックン達は長い冬に向けてたくさん食べ、遊び、力を蓄えなくてはいけない。
一緒に畑から帰ってきた妹たちは、元気に庭を走り回っている。
姉さんたちは難しそうな本をもって木かげに寝そべっている。
プックンはただなんとなく、こけにおおわれた、だだっ広い大地をながめた。
プックンの右手の方には真っ赤なベリー畑がある。
左手にあるのは、真っ青なお花畑だ。
真っ青といっても、まだ花は咲いていない。緑色でチリチリの、細かい葉っぱがたくさん生えているだけだ。
パママンパはお花を育てるのが得意だ。
いいや、花だけではない。プックンたちがこうしてスクスクと成長しているのは、パママンパが愛情をたっぷり注いでくれるからだ。
パママンパの子供は152人もいる。
夏の終わりに生まれる赤ちゃんも合わせると、ぜんぶで155人だ。
生まれてくる3人はすでにパママンパの頭から逆さまに生え始めていて、時がくればポコン、とパママンパの頭からはなれる。そうすればあら不思議、立派な宇宙クラゲの誕生だ。
パママンパの108番目の子供であるプックンは、その日を心待ちにしていた。
夕食の時間、みんなで美味しいシチューを食べながら、プックンの顔はどうしてもとろけてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!