2.盛夏

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2.盛夏

夏まっさかり。 真っ青な花がピカピカッと一面に広がっている。 パママンパが毎年毎年、いっしょうけんめい、世話をしているお花だ。 その名はブルーライトフラワー。 「今年もいっぱい咲いたね、パママンパ」 プックンはブルーライトフラワーをうっとりと見つめて言った。 パママンパは返事をしてくれなかった。 しゃがんでいるプックンの横で、パママンパはジョウロをにぎって、ぼーっとしている。 どうしたんだろう。 「パママンパ?」 プックンが心配して見上げると、パママンパははっとした様子で、 「ああ……いけない。なあに、プックン?」と、にっこりとした。 プックンはいつものパママンパの笑顔とちがうぞ、と思った。 「パママンパどうしたの、なやみごと?」 プックンが言うと、パママンパは驚いたような顔をした。 そう、実際パママンパは、プックンの言葉にぎくりとしたのだ。 パママンパは、プックンのプヨプヨのお顔を見つめた。 (プックンはみょうに、するどいところがある。やさしい子ね) パママンパはプックンのほっぺたに手をふれる。なんと愛らしいほっぺなのだろう。 「ありがとう、プックン。少しだけ、昔のことを思い出したのよ……。もう、だいじょうぶよ」 パママンパはもう一度、にこり、としてみせた。 しまいこんだはずのチリチリした感情が、胸の奥でしっかり根をはっているのを、パママンパは感じたような気がした。
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