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「パママンパ?」
プックンが声をかけるとパママンパはとび上がった。
やっぱり、パママンパだった。
「パママンパ、何をしているの?」
プックンがかけよろうとすると、パママンパはかすれた声で叫んだ。
「お願いだから、来ないで……!」
プックンはびっくりして立ち止まる。パママンパが泣いている。それにとっても、苦しそうな声だ。
プックンは悲しくてたまらなくなった。
「パママンパ、どうしたの。パママンパが来てほしくないって言うのなら、ぼく、そっちへは行かないよ」
プックンの目からポロリと、熱いしずくがこぼれ落ちる。
「でもぼく、ここにいるよ。パママンパが泣き止むまで、ぼくずっと、ここにいるからね!」
プックンは大声を出す。叫んでいるのか泣いているのか、プックン自身にも分からなかった。
ポロポロと、涙がどんどんあふれてしまう。プックンの腕8本全部を使ってもぬぐいきれない。
プックンがしゃくり上げると、ふわり、と温かい触手に包みこまれた。
「ごめんね、プックン……。パママンパ、ひどいことを言ったね……」
パママンパがプックンを抱きしめて泣いている。
プックンのほほに流れるのはどちらの涙だろうか。
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