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プックンはなんと言ったらいいのか分からなかった。
パママンパが悪かったとは思えない。もちろん、その怒ってしまった人も、悪くない。
パママンパは優しい声でプックンに語りかけた。
「かんちがいしないでね。パママンパはこれでよかったのよ。愛しているわ、プックン。私の宝物だもの」
パママンパはプックンをぎゅっとする。20本の触手全部に抱きしめられて、プックンはなんだか、くすぐったい気持ちになってきた。
「パママンパ、苦しいよ」
プックンがもじもじするとパママンパはクスリと笑ってからプックンを放してくれた。
プックンは疑問に思っていたことを尋ねる。
「パママンパ、言っていたよね。お花を見ると悲しくなるって。今のお話とブルーライトフラワーには、なんの関係があるの?」
「ブルーライトフラワーは彼女が一番好きだったお花なの。プロポーズのときも……。あら、いやだ。花言葉は『あなたを許します』」
「『あなたを許します』?」
プックンは思わずオウム返しに聞いてしまった。どういう時に使う言葉なのだろう。
「私、今でもこのお花を彼女におくっているのよ。たぶん、届いているはずだわ。毎年、たくさんね」
確かに年々、ブルーライトフラワーのお花畑はどんどん大きくなっていっている。
家にかざることはしないのに、満開をむかえるとパママンパはこのお花をどこかへやってしまっていた。
つまり、このお花は、今まで、ぜんぶ……。
パママンパは遠くを見つめながら言う。
「私の思いをこめているのよ。『あなたは悪くない』ってね」
プックンは思った。
え?それってちょっと、こわくない?
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