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それから約二〇分後。 「――お待たせ,お姉ちゃん!買ってきたよ!」 怜奈が宝くじ一〇枚の入った封筒を手にして,未歩のところに戻って来た。 「ありがとね,怜奈。ご苦労さま」 封筒を受け取った未歩は,自分の代わりに列に並んで買ってきてくれた妹にお礼を言った。 「それじゃ,当選発表までコレはあたしが預かっとくね」 「うん。……あ,そうだ!二人で当選祈願(きがん)しなきゃね!」 「えー?神頼みってセコくない?」 「セコくないセコくない☆」 ――こうして,宝くじの封筒は姉の未歩が預かることになり,姉妹は仲良く帰路(きろ)についた。……のだが。 ――事件は,この宝くじの当選発表の日に起こった。
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