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**** ――その日の朝。出勤の準備をしていた姉の未歩のスマホに,妹・怜奈から電話がかかってきた。 『お姉ちゃん,おはよ。――新聞見た?』 「はいはい,おはよう。新聞?ウチは新聞なんか取ってないよ」 『じゃあ,ネットでもいいから見て。宝くじの当選番号出てるから!』 「宝くじ?……あ,あれって発表今日だったっけ」 未歩はスマホをスピーカーフォンにしてから,テーブルの上にノートPCを開いて『宝くじ当選番号』で検索をかけた。 「――ああ,ホントだ。ちょっと待って。あたし達の買ったくじの番号見てみるから」 未歩はチェストの引出しに入れてあった宝くじの封筒をテーブルの上に置き,一枚ずつPCの画面に表示されている番号と照らし合わせてみる。 すると……。 「えっ,ウソ!?当たってる!一枚当選してるよ!」 未歩は二度三度とくじの券を見直した。けれど,何回見ても当選しているのは間違いない。 『マジ!?いくら当たったの?』 「ひゃ……,一〇〇(ひゃく)万円……」 『ええっ!?一〇〇万んんん!?』
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