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**** ――夕方五時半。未歩と怜奈の姉妹は,駅前商店街にある焼肉店に集合した。 両親も誘ったが,「あんた達二人だけで行ってらっしゃい」と母親に言われたので,姉妹二人だけの『宝くじで一〇〇万当たったお祝いの会』となったのだ。 「――さあ,美味しそうにお肉焼けたよ。じゃんじゃん食べよ♪」 仲良し姉妹は和気あいあいと食事を始めたが……。 焼肉というものは()てして,モメる原因になるもので。お肉の焼け具合の好みだったり,誰それの焼いていたお肉を取ったの取らないの,だったり。 それは,この仲良し姉妹も例外ではなく。 「あーーっ!それ,あたしのお肉っ!お姉ちゃん,取らないでよっ!」 「ええっ?だってもう焼けてるのに,あんた取ろうとしないから。あたしが食べてもいいのかと思って」 「あたしはもっとじっくり焼けてから取るつもりだったの!他のお肉だってまだまだあるし,欲しいんなら一言訊けばいいじゃん!」 「だったらあんただって,『そのお肉あたしのだから,お姉ちゃん取らないで』って言ってくれたらよかったでしょ!?」
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