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「おひさまのなかで」
少しずつ ためていった闇が
突然ひっくりかえった。
盃が真っ逆さまに落ちて
吹き抜けの床に広がっていくように
私の心も 汚れていった。
明日なんて来なければいい
誰にもあうことがない時間を
永遠にループしてしまえ
そんな非現実的欲求に駆られて
体の調子が崩れて
眠りたいのに眠れなくなった
そこに 誰かがこの世からいなくなったことを知った。
・・・・・・疲れた。
とにかく疲れて、河原のコンクリートに座り込む。
きっと目の前の川じゃ、深さも流れも足りない。
見上げる空は、カラッと晴れていて
「そっちの暮らしには馴染めそうですか?」なんて、聞いてしまいそう。
ポカポカ日和の中で
一人
泣いた。
『いなくなっちゃだめ』って言われるけど、なんでいなくなっちゃいけないんだろう。
あぁしんどいなって思ったら、必ず誰かが先に行ってしまっていて
いなくなりづらくなってしまう。躊躇してしまう。
すごく不謹慎かもしれないが・・・椅子取りゲームの椅子を一足先に取られてしまった気分だ。その椅子は、あの人にとって幸せだっただろうか。
最近、お金がちょっと多く入ったけど、あまり嬉しくないんだ。『頑張ってるんだからもらって当然』って言われたけど、私にとってそれは手枷足枷。『これだけやってるんだから、逃げられると思うなよ』って脅されているようだ。
何もかもがしんどくて
しんどくて
明確な理由はよく分からないけど しんどくて
相変わらず体もしんどくて
明日休みたいな なんて思っちゃって
しんどくて
しんどくて
泣いた。誰にも見られず一人で泣いた。
「全部全部消えてしまえばいい」
「もう嫌だ」
「どうすればいいんだ」
泣いても泣いても 闇は止まらない。
誰かに話そうとしても その誰かも苦しんでいると思うと不安に陥って
匿名電話を押しても 通話中で一向に繋がる気配なんてない
きっと今の私は
過去最大に 死んだ人形の目
青空の下で
私は泣き通した。
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