「雨を聴きながら」

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「雨を聴きながら」

朝から激しい雨音に叩き起こされました。 同時に 今日が休日でよかったとひしひし思います。 気だるいまま起きる必要がないからです。 再び布団に潜り込みますが、二度寝すると今度はいつ起きられるか分かりません。 とりあえず起床と睡眠の狭間を行き来しながらネットサーフィン。最小の音量で漁るこの背徳感。 薄暗い箱庭に閉じこもりながら 真四角の光と対面しながら こうやっていられるのも今日しかないということにしたたかな絶望を感じました。 また一週間が終わり  始まってしまう。 つい二日前に解放されたと思ったら、また元戻り。 リモートコントローラーの逆再生で同じ日常が繰り返される感覚に陥る。 どんなにどんなに抗っても  無力的に時間だけが過ぎる。 箱庭を打つ雨は、そんなじっとりとした心の内を体現するかのごとく降り続けた。 逃れられない連鎖は多くの人が感じているのだろうか。 暗黙の了解のように  異議は唱えない。 唱えた所で  何か変化が生じるのだろうか。 私は面倒な人間です。 雨は今なお  降り続いています。
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