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買い物デート
【郷田と沖】<2019/11/22>
普段、服装にこだわりがなく、店ではトレーナーとジーンズだったり、Tシャツだったりする。
流石にどこか遠出しようと思った時に着る服がないのもと、デートをしつつ服を買いに来た。
郷田に似合う服を選ぶが思った以上に楽しく、あれやこれやとしていたら、
「俺のばかり選んでいては駿也さんのが決まりませんよ」
と肩をつかまれて回れ右をされてしまった。
買い物デートっぽくていいなと思っていたのに残念だと自分のを選んでいると、いつの間にか会計を済ませた郷田が隣にいる。
「これとか似合うかな?」
「はい。とても」
郷田はライダースジャケットと、白の長そでのトップス、黒のデニムという組み合わせだ。
沖はカラーシャツとセーター、ベージュのチノパンツだ。
頭の中にその姿を思い浮かべれば、あまりにかっこよくて高まる感情があふれそうになり口を手で押さえる。
「どうしました?」
「うんん、なにもないよ」
いや、今すぐ抱きしめてほしい。
デートというのはこんなに楽しいものだったっけと思ってしまうほど沖は浮かれていた。
「駿也さん、会計を済ませて帰りましょうか」
どうやら郷田も同じ思いだったのか、目元がほんのりと赤く染まっていた。
<了>
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