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せかいの胎動が聞こえる、と嬉しそうに彼女は言った。
今、彼女の腹の中にはせかいがいる。新しいせかい。これからかみが出来るのよと目を輝かせて言う。
そうか、すべてができて初めてかみさまも出来るのか。
ほんとうは、彼女はなんにも知らない。すべてのことを私に語って聞かせてくれたけど、彼女はわかりたいことをわかりたいように知っているだけで、ほんとうのことはなんにも知らない。
もしかしたら彼女こそ神なのかもしれない、と私は思う。
そうじゃない?と聞くと、わたしはなりたくないなあと曖昧に笑って膨らんだ腹を触った。
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