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青い朝顔
わたしには幼いときから仲良くしていた近所の幼馴染がいました。
彼とわたしの年は6つほど離れていて、兄のような存在でした。
よく遊んでくれて、話を聞いてくれて、わたしが泣いていることがあれば傍にいて慰めてくれる、優しい人でした。
いつから恋心が芽生えたのか、今となってはもう思い出せません。
それくらいいつも傍にいて、彼の存在が大きくなっていたのです。
臆病なわたしが彼に思いを告げることもできず、ただ月日は流れていきました。
今の関係のままが心地よくて、それを壊したくなくて結局言えずじまいでした。
それでもわたしは彼の隣にいれるだけで幸せでした。
ある夏の日、今日のようにわたしは熱を出して床に伏せていました。
夕方、母は買い物に出かけて家の中でひとり帰りを待っていました。
一人ぼっちの家は静かで、孤独でとても寂しかった。
そのとき、彼が現れたのです。
その手に青い朝顔を持って。
空のように、海のように、深い青色をした朝顔が無性に美しくて、美しくて。
朝顔をもらったという単純な出来事が、とても嬉しく感じたのです。
毎朝、花が開くたびに彼の笑顔を思い出して、萎れるたびに悲しんで。
その夏はとても楽しかった。
朝顔が枯れてしまって、わたしは少し泣きました。
花が枯れるくらいで泣くなんて大げさかもしれません。
だけど、それくらいわたしにとっては大事な存在でした。
彼と同じくらいに。
わたしが落ち込んでいるところを見た彼は、「種を二人で分けて、また来年綺麗に花を咲かそう」と言ってくれました。
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