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「もうそんな事はしてません」
そうだな、やっとな......
「サクラ、ここがどこか分かるか?」
「はい?」
「おまえが山を一つ崩す度に逃げるように南下したよな?」
「はい......」
「分かりやすく言ってやるけどな、静岡から愛知、岐阜を掠めて滋賀の琵琶湖の形を変えながら今はどこかな?」
「あっ!日本の名前ですね?はいっ!ここは京都ですっ!」
「そうだな、ここはちょうど比叡山辺り.....何で比叡山で修行しなきゃいけないんだ?」
「それは.....もしかして.....私と.....」
「違うっ!」
何を赤面してやがる.....あっ、人の話を聞いてないし。
「ミスト様」
急に真面目な顔をするサクラ。
「何だ?」
「夜伽ならいつでも.....」
「却下」
・・・・・・・・
「エンリル聞こえる?」
イシュタルか。
「ああ、どうかしたか?」
イシュタルやエドワードとは時々連絡を取り合っている。
行こうと思えば楽勝だが、それも味気ないから敢えて戻ろうとはしない。
「アーサが用事があるらしいの」
アーサ?
「何の?」
「直接話したいらしいから、送るわ」
宅配便かよ?
「やあ、久しぶり」
マジか。
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