冒険しない冒険者

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「サクラちゃんも久しぶりだね」 「はいっ!お元気そうで何よりです」 「それでアーサ、用事は?」 「ずいぶんつれないね?何かあった?」 いや、何もない。 何もないというか、何も出来ないこの状況だよ...... 「実はね......エルフの里にいる占い師がさ、何かあまりよろしくないのを引き当てたというか......」 「あー噂で聞いた事があるぞ、確か800年くらい生きてる化石みたいな婆だな?」 「そう、ここ数十年はおとなしくしててんだけど、突然騒ぎだしてさ......参ったよ」 アーサはため息をついてから、再び続けた。 「言ってる事は嘘みたいだけど、ここ数ヶ月のこの世界を見てると、あながち作り話には聞こえなくてさ」 なるほどな。 「それで、どんな占いだったんだ?」 「世界滅亡」 またか...... 「そうなんだよ、またかって話」 あ、こいつ人の心を読みやがった。 「あ、ごめんね......つい」 「まあ、次期マナシ大統領だからな、他人の心くらい読めないと務まらないだろな」 軽くジャブ。 「まあね」 かわしやがった。 「で、俺にどうしろと」 「うん、調べてほしいんだ」 調べる? 「調査なら俺よりもイシュタルやエドワードの方が有能だし、どこかに潜り込ませるならロイを推薦するぞ」 何で俺?
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