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1.
最近はルームシェアが流行しているらしく、気づけば、明岐は日向とアパートを借りて一緒に生活をしていた。
「おーぃ、明岐!卵ねぇー!オムライス作れねぇ!!」
冷蔵庫を開けて、リビングでTVを見ている明岐に叫んでくる日向。
「……」
別に、TVに夢中になっている訳じゃないけど、口を開くのが面倒でそのまま聞き流した。
「……。シカトすんな!」
「はいはい」
日向の方に目を向けることもなく適当に頷くと、すかさずツッコミが入ってくる。
「おぃー!」
まぁ、時折面倒臭いと思うこともあるけど、嫌なわけじゃない。
嫌だったら、即刻この部屋から出て行っている。
何だろうか。
腐れ縁的なもの。
明岐達は中学でお互いを知って、気づけば友人になり、同じ高校を卒業して同じ大学に進学していた。
そして、何気無くルームシェアして約1ヶ月が過ぎた頃。
『好きです!付き合ってください!!』
と、まさかの日向からの告白。
引いた、とか何の抵抗も無く、流れで付き合うことになった。
とは言え、今日まで特に何もないのだけれど。
キスとか、恋人らしいこととか。
「……」
妄想の趣味はないけど、色々と浮かんできたため、明岐は片手で払って消した。
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