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まだドキドキしていた。
「やったあ!」
私はベッドにダイブした。シングルベッドの固いクッションが私を受け止めると、ゆらゆらと大きく揺れた。
身体の奥には私を満たしてくれた先生の感じが残っている。下着の上から先生の身体を記憶している場所を指でそっと撫でる。と、生きているかのように私の身体の奥がウニウニと蠢くのが分かった。私の指が先生のそれに変わる。
ああん……。先生……、先生……。
さざ波のような心地いい快感。それは徐々に大波へと変わる。フラッシュのように眼の前が眩しい光の塊になって、頭の奥でそれが弾けた。大きな快感に声を上げたのかも分らない。
やがて、快感はさざ波に変わった。
ふうっと、我に戻る。石を載せたように身体が重い。
何やってんだろ、私……。自己嫌悪に堕ちてゆく。
遠距離恋愛の彼に会えないポッカリ開いた心のスキマを埋めて欲しい、と家庭のある先生に求めているんだ。
気が付くと、私は泣いていた。
中学生のころから恋人は切れたことが無かった。中二のとき、別に好きでもない同級生の子と初体験してから、ずっと誰かが私の周りにいた。だけど、セックスの本当の気持ちよさを教えてくれたのは、遠距離恋愛の彼だった。結婚している男性を好きになったのは、先生が初めてだった。
:
真夜中、先生からラインがあった。
『何してた?』
『ふふふ、ないしょ。先生は?』
『三浦さんのこと考えて……』
『私の考えて、変なことしたでしょ?』
『……ないしょ。www だけど、……』
『うん……』
『最高だったよ。三浦さんとのセックス……』
『……バカ……』
あの時、確かに私も興奮していた。だけど、先生とのそれはシチュエーションと相手が結婚しているという障害に対してだ、と冷静に思った。
『先生?』
『うん?』
私たちは恋人のようにラインでやり取りした。急に先生の声が聞きたくなった。
『いい? 今から先生に電話しても……』
先生は『電話は……』とだけ送ってきた。
先生の声が聞きたかったのに……。
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