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家に帰ってから、さっそく借りた本を開く。銀木犀のページを目次から探した。
「78ページ……」
パラパラ捲っていき、通り過ぎてしまった金木犀のページまで戻る。
「金木犀と銀木犀の違い……」
そこにはオレンジの花が金木犀、白い花が銀木犀と書かれていた。銀木犀のこの写真、見たことあるかもしれない。
金木犀は、10月に見られる花で、香りがとても強いらしい。銀木犀は年に数回花が咲き、金木犀よりは匂いが弱い。もっとも、それは金木犀に比べて弱いだけで、他に比べてみれば強い香りらしいけれど。
他にも、葉っぱに違いがあるのだとか。
「へぇ、中国の花なんだ」
それに、金木犀は銀木犀の変種……。知らなかった。
「花言葉は……金木犀は謙虚、謙遜、初恋。銀木犀は初恋、高潔」
金木犀の花言葉の謙虚は、強く甘い香りに反して、花が小さいことに由来するらしい。
銀木犀の初恋と言うのは、中国の女性がデート前に木犀入りの酒を飲んで、甘い香りにしていたことからきた花言葉なんだそう。
「初恋……」
僕は本を胸に抱えてベッドに寝転がる。初恋の金木犀の香りを思い出しながら、早くあの女性に会いたいと強く思った。
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