退屈な日々と小さな社

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退屈な日々と小さな社

セミの鳴き声、蒸し暑い気温にぎらぎらと照り付ける太陽の光。 キーンコーンカーンコーン やっと六限目の授業を終える鐘が鳴った。十分前から先生が書いた独特な文字とはたから見たら意味不明な図形がチョークで彩られた黒板をただぼーっと眺めた後、科書とノートをリュックに入れて授業がただ終わるのを待っていた。 担任がショートホームルームをやっている間でさえも、二階の教室の窓から見えるオレンジ色の空を眺めていた。 高校二年生ということもあって、周りはバイトやら部活、はたまた良いに大学に進学するために勉強しているやつもいる。僕はどれにもあてはまらない学生だった 家に帰っても別にやることがあるというわけでもない。家の門限が厳しいわけでもない。ただ、ただ、何をするにも自分にあわない。そう感じていた。この心に生まれた溝というか周りとのズレは何をやっても自分を満たしてくれなかった。
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