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静かな世界、そこは誰もいない廃墟のような死んだ世界。
迷いこむのは罪人。
妬み僻み、噂や誹謗中傷、法律に触れるものまで。
彼らの共通点は中身がいかに屑であるのか。神様からはもうとっくに見放され、死んだら絶対に地獄に落ちるのは確定なくらいの屑。
最初は理不尽な仕打ちに怒ってばかりの彼らだが、段々と時が経つにつれて怯え出す。
食事もない、住むところもない。歩いても歩いても砂漠のような何もないところ。人が踏み入れたら死んでしまう厳しい自然の領域みたいなこの世界。
弱いものいじめをしているようになるけれど私にとってそれが都合が良い。彼らを見て私は微笑む。
今日はどんな風に殺してやろうかと。
そして同時に罪悪感が生まれた、あの子にまた負担をかけてしまうと。
最初が始まったのはいつの頃だろうかと振り返る。
人生は一度きりではないと知ったときからなのだろうか。
人生は一度きりだから後悔しないように精一杯生きようと言うのが通説だけれど、今の私にとっては小数点以下の話になった。
私ならこう答える。
人生はやろうと思えば何度もできること、そして後悔しないためには貪欲に生きるべきだと、たとえそれが最悪の手段を用いることになろうとも。
「今度こそ、絶対に」
私は虐殺を繰り返しながら最初から変わらない決意を強く心に唱える。
後悔は二度としたくない、悲しい想いをしたくない。
できればあの子を幸せにしたいと。
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